#34 山の上のバッティングセンター

#34 山の上のバッティングセンター


このいい加減なブログの中でも、とりわけいい加減なタイトルを思いついた。




それがこの「山の上のバッティングセンター」である。




調べようもないので私が行った中で記憶に残っていて、主観的に山の上にあったなあ、標高が高かったなあ、山の上にあったっぽいなあ、というバッティングセンターをセレクトする。




まだまだ行けてない西日本と北海道などにはまだまだあるはずだ。




ただ印象としては住宅用地としては価値の低いと思われる線路沿い、川沿い、工業用地、幹線道路沿いの商業用地、郊外のだだっ広い土地などにバッセンが建っていることが多く、山の上っぽい場所に立地することは珍しい気がする。







                              




ところで、たまに聞く「そこに山があるから」という名フレーズの原典は、「そこにエベレストがあるから(Because it’s there. )」と言ったとされるイギリスの登山家ジョージ・マロリー(以後マロっつぁん)が1923年に言い放ったものである。




このフレーズは、何か論理的な回答ではなく<理屈じゃねえんだよ>という力強さを受けさせる。




加えて、<おい、そんな野暮な質問すんじゃねえよ>というようなニュアンスさえ感じる。







              




「そこに山があるから」という日本語訳は誤訳だ、と聞いたことがあったが、確かに誤訳だと言える。




なぜならこの言葉は、ニューヨーク・タイムズの記者に「なぜあなたはエベレストに登りたいのですか?」と聞かれて前述の「Because it’s there.」と答えたという。




直訳すれば「だって、そこにそれがあるからねえ」だ。




マロっつぁんの登山家としての生涯を少し調べると、前人未到のエベレスト登頂への挑戦だった事が分かる。




マロっつぁんは、1921~1924年にかけて3度、イギリスの国威発揚という帝国の栄誉を背負ってエベレスト登頂を目指した。




マロっつぁんにはエベレストしか見えていなかったはずだ。




「そこに山があるから」と言うと、山全般あればなんでも登りますけど的な感じもするが、そうではなかったらしい。




           




要は、「エベレスト」という固有名詞で訳するのが正解で、「山」という一般名詞では誤訳だという指摘だ。




おそらくその指摘は合っている。間違いない。




けど、すっごいどうでもいい。




なぜなら「そこに山があるから」というフレーズには、




<野暮な質問しやがって、端的に言えるような話じゃねえんだよ、安易に理屈を求めやがってよお、とりあえず答えてやるけど、絶対次いで質問してくんなよ、ご期待に沿う答えじゃなさそうな事は分かってて一言で片づけるつもりで答えるわ、一応、ま、一言で言うとだな…>




という隠された前段がキチンと添えられて現代まで伝わってきているからだと思う。




誤訳だろうが、マロっつぁんが込めた本意からは逸れてないどころか、より一層伝わる翻訳なのではないだろうか。




     




「そこにバッセンがあるから」




言いたいけど、ダサいなあ。




国の威信とか背負ってないしなあ。前人未到でもないしなあ。




だからどうした?なんだよなあ。ナンボのもんじゃいなんだよなあ。




さきの私の偏向的な前段はさておき、ま、もう理屈じゃない感じは通ずるものがあるとして。




自分のちっぽけでしょうもない何かを背負ってるとして。




もう一度言う。




「そこにバッティングセンターがあるから」




     




ほんでもって明日、2月23日は「富士山の日」として静岡県の一部の学校では休校となるらしい。




それも、すっごいどうでもいい。




    




■■■山の上のバッティングセンター■■■




「ビーコンパークスタジアム」(兵庫県西宮市)
・たどり着く直前の坂道の傾斜は日本ナンバーワンではないだろうか。ここに野球少年達が徒歩で通ってるとしたら走り込みは不必要なくらい足腰が鍛えられると思う。ここからの帰りの坂道は何かを忘れられるほど、いや逆に何かを考えさせられるほどの雄大さを感じる。




    




「一関ナルトバッティングセンター」(岩手県一関市)
・個人的に思い入れが強く、印象も強いバッセン。1年間で全打席でホームランを打つと景品の生さんまがもらえる。HR賞マニアとしては絶対にゲットしなくてはならない唯一無二の賞品である。打席からの眺望というよりも、辿り着いた駐車場所からの階段とその上にバッセンを見上げる眺めの方がなんともいえない美観を感じる。




    




「飛騨バッティングセンター」(岐阜県高山市)
・カーナビを不安に思うくらい住宅地に入るが突然バッセンは現れる。到着するとそこは山の上だった。高山は四方を山に囲まれた盆地だが、ここからの眺めは高く、遠くの山の上にそびえる何本もの送電線との距離感を見ながら自然がつくりあげた地形の壮大さを味わえる。




   




「高尾バッティングスタジアム」(東京都八王子市)
・傾斜地の上に位置していてすぐ先が谷なので、ほとんど打席からの眺望は崖の上から打ち下ろすような感覚の爽快感がある。そして目の前の山からのやまびこなのか隣のマンションから響くのか打球音の反響も爽快さを増してくれる。




    




「マルサンスポーツセンター」(秋田県大仙市)
・こちらも印象が強い。確認はしてないがどうみても廃校になった学校跡地の校庭でゴルフの打ちっぱなし、体育館内で卓球とバドミントンとバッセンが楽しめる商業施設となっている。通ってもない学校に入れるという特別な非日常感が味わえる。




   




「土岐バッティングセンター」(岐阜県土岐市)

・標高が高いわけではないが、中山道から入る坂道の傾斜が強い。徒歩で行ってたら打つ前に休憩を入れてたはず。