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#13 タイのバンコクバッティングセンター

#13 タイのバンコクバッティングセンター

タイのバンコクバッティングセンターに行ってきたので、純粋に旅行記を書く。

事前に調べた際にホムペが日本語であったし、ロゴのシルエットが言わずと知れた有名な野球選手、シアトルと愛知県のヒーローだったので、もしや日本の方がオーナーさんなのではないかと予想していた。

勿論、その疑問を解決したいだけなのであれば、問い合わせれば分かる。

このバッセン旅は、ただバッセンの知識を増やす事が目的なのでは無い。

バッセンを多く巡って、ランク付けしたり順位付けたり点数や星を付けたりする事もしない。私の主食はうどんでは無い。

結果ステマみたいになる時もあるが、これらは私のねじ曲がったモノサシ・偏見のコレクションだということも常に明示してるつもりだし、こんなクソのような主観レビューが口コミで広まるとも思わない。

もし広まって影響力を得ようとも接待やワイロや時計などを受けようとは思わない。

、、、いや、金額による。

私はそこそこズブズブでなあなあな人間だ。

さて、タイはドンムアン空港に着きました。現地時間15:30頃です。

今回の旅に向けて、私は外国での運転をしてみたかったので、事前に国際免許を取得していた。

とはいえ、考え得る全ての移動方法と、相場の金額と、所要時間は調べていて、行く前の気持ちでは、

レンタルバイク>レンタカー>バイクタクシー>電車>タクシー

こんな順番で考えていたが、既に出発段階でクレジットカードを忘れたので、成田を離陸する前にレンタカーの選択肢は消えていた。

ドンムアン空港到着後に国際第1ターミナル南側のスタバじゃないカフェで、眠気覚しに115バーツのコーヒーを飲みながらタイバーツの日本円換算の練習をしてみたら、約400円(実際は384円くらい)だった。

スタバじゃないのにコーヒー一杯にしちゃ値が張るだけあったのでさすがに美味しかったような気になってから、喫煙所の近くのSecurityと書いてある看板の所に立っているポリスオフィサーみたいなコスチュームを着た第1タイ人に話しかけてみた。

バイクのアクセルをフかすジェスチャーをしながら「レンタルバイク」指を360℃上下に動かしながら「ホェア?」と尋ねる。

「バイク?」「ノー」と軽くあしらわれた。

「じゃバイクタクシー、フォエア?」と聞くと、「バイク?」「ノー」と再度あしらわれ、「タクシー、ヒア」とすぐそこに見えているタクシー乗り場を指指す。

「ブンブン、バイク」とジェスチャーを加えて二輪にこだわったが、もう二度三度「バイク、ノー」と言われ、結局諦めて「バイクないんかい」と呟いて立ち去った。

私は関西圏には縁が無い、だが日本人のアジア圏旅行には関西ノリが相性が合うと思っているのでエセ関西人のエンジンをかけてみたのだ。

私が思う関西ノリとは、何が何でもまず「それナンボなん?」から始まり「アホな、そら高すぎやろ」「言うてもこれくらいちゃう?」「せやろ、ほんなら行こか」と、お互いが最後まで笑いながらも、腹を探りながら着地点を示し合いながら笑顔で折り合う商売気質の事だ。

この旅行に合わせて約1ヶ月かけて日本人離れした身なりにしてきたが「アーユーカムフロム?」と聞かれてしまえば嘘はつかない。

アジア人達は、観光客がジャパニーズだと聞けば相場の何倍かをフッかけると方程式が決まってるんだと思っている。

ジャパンとバレてしまえばエセ関西ノリで立ち向かうしかない。
(関西ノリ以外にも「それいくらすんの~やだバカ高過ぎじゃない?、そんな値段しないっつーの、じゃ決まりね、行くわよ?」の二丁目ノリでもイケる事に最近気がついた)

タイにはレンタルバイクとバイクタクシーがある事は事前に下調べしてある。おそらく空港内には無いと言ってるのか、タイ語もしゃべれないバックパッカーはタクシーに乗っとくのが無難だぞと言っているのか、私のバイクに乗りたいテンションはSecurityの人には伝わらなかった。

しかも思ったよりだいぶ暑いので、もういいやと、この時点で早くも他の選択肢も諦め、タクシーで行く事にした。

1台目のタクシーにバンコクバッティングセンターまでの経路を示したグーグルマップを見せて「ヒア!ハウマッチ?」と私の中一レベルの英語の感触を確かめる。

答えは「アイドンノー」の一点張りなので、私は立ち去った。

何が分からないのかも分からないが、英語の返事が返ってきた事は分かった。英検三級を取っておいて良かった。

2台目のタクシーの運転手は1台目のおっさんとは違って若めのタイ人で、私のノリを理解してくれそうだ。

半袖の右腕からタトゥーがチラ見えしていて、レイバンのサングラスをズラして私が差し出したマップを覗き込んだ。

「オーケー」と軽いノリで、私を助手席に招き入れる。

万国共通で軽いノリの人間は怪しい。

「ハウマッチ?」に対しては「フィフティハンドレッドバーツ、OK?」との事。

それが片道分なのか帰りの便まで付き合ってくれる分なのかは分からないが、おそらく片道料金であろう。

ならば、1.5倍から2倍ほど高い。こちとらドンムアン空港からバンコク市内まで約一時間で250~300バーツが相場だと予習済みである。

しかし私は「オーケーオーケー」と助手席へ乗り込んだ。

もしバンコク市内までの片道を乗り捨てる予定なら、ここで「ちゃうちゃう100バーツくらいで行けるやろ」と交渉を始める所だが、私はタクシーが約2倍高い程度ならその万国共通の怪しい軽いノリに乗りたかったのだ。

そもそもタイのタクシーでぼったくられたくなければ、値段交渉などせずきちんとメーターをオンにするように指示してメーター料金+高速料金だけを払えばいい事も予習していた。

昔のイメージとは違い、バンコク市内の物価は、日本の水準に近づいているかほぼ同じだという事も予習済みだが、なぜかタクシーのそれは日本よりもかなり安い。

バッセン旅は安全な道のりばかりを選ぶわけでは無い。

主要都市だけじゃなく僻地へも、観光名所だけではなくアングラなストリートへも入って行く事が「バッセン旅 bassen-tabi.com」の道程である。

後述するが、この若めの運ちゃんは28歳で2人の子持ちで、日本と言えば北海道とトヨタが真っ先に浮かぶファンキーめなタイ人だ。

乗り込んですぐに運ちゃんは「カムフロム?」「ハウロングステイ?」と矢継ぎ早に質問を投げかけてくる。

私も「ジャパン」「ワンデイ」「ノーステイノーホテル」「バッティングセンターオンリー」「トゥデイカムトゥデイリターン」とタイに日帰りバッセン旅だという回答を投げ返す。

ブリーチした髭と眉毛と、投げ返した中一英語でファンキーでハイテンションな日本人だという事が伝わったのか「ワンデイ?ハッハッハッ」とつかみの手応えはあった。

「ジャパン、ホッカイドー?」「ノーノー、チバシティ、ナリタ、フライト」など笑いながら話し、私の英単語のボキャブラリーが尽きてきた頃、「バッティング、アフター、フォエアーユーゴーイング?」と「で、その後どうすんの?」という内容を問うてきた。

私もファンキーな日本人男性なりにタイに来たならば色々したい事もある、だが時間の都合上、本当にバンコクバッティングセンターに行って帰ってくるだけでも全然満足だとも思っていた。

ゴーゴーバーには行ってみたいが、女の子を連れて帰るホテルは予約してないのでせめてをチラ見するくらいはしたいのだが、そのニュアンスを伝える術が無い。

「ァ~ン」と口ごもっていると、運ちゃんは一枚の四つ折りのピンクチラシを渡してきた。

leaflet

チラシには英語・中国語・日本語で観光客のムスコを誘惑する文言が書いてある。

続けて左手の手の平を下に向け右手の握りこぶしを2回下から突き上げる動作をする、ちょうどFUJIWARAの原西の「なるほどね」の逆手バージョンのような恰好だ。

そして「ファッキング、ゴー、ユー?」と言った。

ピンクチラシを見た時点で「ヌキ行くっしょ?」と言ってる事はすぐに理解したが、それがゴーゴーバー内にあるのかナンボなのかなど詳細なシステムについて質問したいが、やっぱりそれを伝える術が無い。

「アフター、ゴーゴーバー、ァ~ン」と口ごもっていると、運ちゃんは翻訳アプリにタイ語でしゃべりだして、スマホ画面に翻訳された日本語を見せてきた。

その画面にはたしか「あなたは女の子行きますか?」みたいな事が書いてあったと思う。

サッカーボールが世界をつなぐように、風俗産業も、スマホアプリも世界をつなぐ。

続けて交互に翻訳アプリにしゃべり、画面を見せ合いながら、ゴーゴーバーには行ってみたい事、女の子も行くんやけど、ま、詳細や交渉はおいおい決めていこうや的な事を確認し合った。

その間、運ちゃんはかなり車で渋滞して、ひっきりなしにバイクがすり抜けてくる幹線道路をずーっとスマホを見ながら運転していたので、私はしっかりシートベルトを締めてグーグルマップで経路案内を開きながら「ターンレフト」「ゴーストレート」と文字通り助手席で助手を務めた。

タイの街並みは、名古屋の空港線や世田谷杉並渋谷新宿あたりの甲州街道のように上の高速道路に沿って渋滞する幹線道路が走り、その脇には豊洲や武蔵小杉でも見ないようなカタチの高層ビルがニョキニョキと生えていた。

bill

bill

town

ただ一方では、蒲田や西成のように野良犬や半裸の素寒貧の姿も見た。

日本で言う所の厚生労働省、タイ王国保健省の仕事もまだまだある。

dog

man

dog

写真のTシャツをまくりあげて腹を出して歩いている人を指さし、アイツ誰やねん?という感じで「フー?」と爆笑していると、彼も笑っていた。

「誰やねん?」も万国共通のようだ。

Don Muang Toll WayからSirat Expyへ曲がったあたりで、運ちゃんは私のスマホを取った。

グーグルマップをピンチインアウトして詳細な場所を把握したようで「オーケー」と返してきた。

車内での会話はずっと運ちゃんのスマホの翻訳アプリを使って、ゴーゴーバーが19:00にオープンする事や、詳細なシステムは分かんないけど君との付き合いだと思って風俗も行くよという事、帰りの便のため22:00には空港に戻りたい旨などを伝達していた。

しばらくすると、運ちゃんは翻訳アプリにしゃべる事が無くなったので、彼のビジネスは以上なんだと了解した。

そこで私は、一度充電器に挿したスマホを取り出し、私がインストールしている翻訳アプリにあるお願い事をしゃべりだした。

翻訳アプリについてなのか、そのお願い事についてなのかは分からないが、彼はニヤついた。

そして「私はやらないが友達を紹介するよ」と答えた。

それについても詳細や値段については未確定のまま、バンコクバッティングセンターに到着した。

batting cage

batting

batting cages

gate

batting cage

batting cage

Flyer

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バンコクバッティングセンター(Bangkok Batting Center)【HR的あり】
HP:https://www.haokasports.com/
住所:
108/1 Sukhumvit 31, Klongton Nua, Wattana, Bangkok 10110
(108/1 สุขุมวิท Khwaeng Khlong Tan Nuea, Khet Watthana, Krung Thep Maha Nakhon 10110 タイ)
(108/1 ซอยสุขุมวิท 31, แขวงคลองตันเหนือ, เขตวัฒนา, กรุงเทพฯ 10110)
電話番号:02-262-0699(+66 2 262 0699)
定休日 : 年中無休
営業時間:10:30~21:30
無料駐車場複数台有り
Asok駅(อโศก駅)から徒歩26分くらい
ドンムアン空港からタクシーで1時間くらい
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私は「ちょっと打って、写真撮って10~15分で戻るよ」と伝え、彼はタクシー車内は禁煙なので「スモークタイム」と言って、私がバッティングするのを待っていてくれた。

エコノミーで7時間のフライトを経て、1時間の助手を務めてから、いきなり暑い6月のタイでバッティング動作をするのは疲れた。

記念品のステッカーとピンバッジを購入し、目論見通りの日本人オーナーさんとお会い出来、日本のバッセン事情とタイのバッセン事情などについて少しだけお話させて頂いた。

最初は観光客や現地滞在している日本人のお客さんが多かったそうだ、その内に現地タイ人のお客さんもたくさん来るようになったそうである。

私はタイではクリケットが盛んなのではないかと思っていた。

だがそうではなくクリケットに興じるのはインド人で、クリケットのバットを持って訪れたり「ワンバウンドにしてくれないか?」という依頼などもあるそうだ。

日本のバッセンは「バッティングセンター巡り」の第一人者の吉岡雅史さんというバッティングセンター研究家であられる方が行き尽くした。

そして、現在はアメリカを巡っておられるそうだ。

多分アメリカにも何百カ所とバッセンがある、キューバやプエルトリコやオーストラリアやニュージーランドや台湾にも見つけたし、最近見つけたが韓国にも本当に数百軒ある。

中国は調べることすら面倒くさいが、やはり普通にあるらしい、一体何軒あるやら。

おそらく、調べ得る限りのバッセンを行き尽くすまで私は生きていない。だが、もし行き尽くすか、バッセンに飽きるか、突然インドにハマったらクリケッ旅を始めても良いなと思った。

batting photograph

この写真は運ちゃんがスモークタイムに撮っていてくれたもので、後でその画面を撮らせてもらった。

打ち終わって汗が噴出する中、冷房ガンガンのタクシーが付け待ち状態なだけで嬉しいが、カメラマンもやってくれるとはサービスが良い。

これも後述するが、彼は野球には興味無いと言うが、シャッターチャンスの野球センスだけはもっている。

私が急いで打っている中で、完全にこのバンコクバッセンのロゴ通りのポーズの一瞬を、カメラにおさめていた。

もしかすると、実は好き者だけど隠していたのかもしれない。

タクシーに戻り「着替える」と翻訳して、替えのTシャツを着た後、私はシートベルトを外して先送りにしていた交渉を始めた。

ここから帰国まで一度もシートベルトはしていない。

私のお願い事について彼はフレンドとスマホアプリでやり取りをしている。

彼の「マイフレンド」と連絡を取り合う口笛風の着信音が鳴り止まない中、私は翻訳アプリで希望を伝え続けた。

値段と時間の都合がなかなか折り合わないが、彼は止まらずタクシーはバンコク市内を流し続ける。

タイの相場感や物価上昇については詳しく知らないが、あまりに言いなりになっているとスッカラカンにされそうなので「安うしといてや」というニュアンスを醸し続ける。

その間、彼はけっこう険しい表情をしたり、あきれ顔をしたりと頑なな態度を貫いていたので、合意は全く形成されなかった。

私はもう彼とどこかでお別れするストーリーを描きながら「どこかでトイレへ行きたい」とも伝えた。

「オーケーマイフレンド」と言って彼はどんどん裏路地へとハンドルを切っていった。

観光客の姿は見当たらず、明らかに地元民と分かるタイ人しか見えなくなった頃、彼がちょくちょく舌打ちしたりクラクションを鳴らすのが気になった。

「フォワット?」と聞くと、さきの素寒貧みたいな人を指さして「マイフレンド」と答える。

聞いて確かめはしなかったが知り合いを見つけると舌打ちしたりクラクションを鳴らしたりするのは、彼の普段の行動に思えた。

そしてどんどん汚い住宅が増えてくるのを見ながら、タイの地元のアングラ感が高まるのとはうらはらに治安指数が低下してきているのを感じた。

着いた先は、日本ではお目にかかれないほどゴミだらけでうらぶれた団地の中庭というか駐車場というか、ただただ衛生面には問題がある事は確かなスペースだった。

これで管理費とか共益費とかとってたらそれこそぼったくりと思えるボロボロの団地だった。

・そこには彼とは別の種類のタクシーや自家用車に見える車が停まっている。
・その車の後ろに子供2人男性2人が腰掛けているのが見える。

彼は「ウェイティング」と言って車を降りた。

私は「ヒア?オーケー」と答えて座席に留まった。

だがしかし、私は今の状況が全く飲み込めずにいる。

運ちゃんが男性達と談笑しているのを見て彼のホーム感は伝わってきたが、一向に彼が帰ってくる様子が無い。

一体何の場所で何の時間なのかを、待たされているこの時に頭を巡らせる。

さきのお願い事についてのマイフレンドの紹介なのか?ここから歩いてマンションヘルスみたいな所に行くのか?

私のアウェイ感と緊張感が高まってくる。

しばらくすると彼は「オーケー、ゴー」と助手席側のドアを開けて言った。

私は結局何なのか分からない状態で「バッグ、オーケー?」とパスポートが入ったバッグを車内に置いておいても良いか聞いた。

相変わらず彼は「オーケーオーケー」と軽いノリで私を促す。

彼は子供2人男性2人と談笑をしながら、「ゴーゴー」と私に言い、彼らが居る場所から離れた小屋を指さした。

私が小屋の裏に回るとその奥に、眉間にしわを寄せたこわもての佐々木健介似のタイ人が座っていた。

(なんだ、このイカつい奴は)

私は、とっさに、
・この間にタクシーごと盗まれちゃいました、パスポートなくしましたね。
・この間にバッグがなくなって、パスポートなくしましたね。
・この佐々木健介似のタイ人にカツアゲされて、あれ誰も助けに来ないんですね。

などのパターンを想定してみたが、身につけているスマホと財布と、車内のパスポートとどっちが優先かは判断がつかない。

もし何かあれば少しは抵抗出来るように、イミグレーションカードを書く用のボールペンが右のポケットに入れてある。

果たしてボールペンが武器になるのか?と考えて思い出した。

昔知り合いがネットで買ったクボタン(タクティカルペン)を持ち帰ったその日に職質を受けて軽犯罪法違反にはならなかったけど買った当日に没収されたという笑い話を。

今日の私もあのクボタンも「トゥデイカムトゥデイリターン」だ。

佐々木健介はポケットに手を入れたまま眉間のしわを崩さない。

なぜ睨まれてるのか全く状況が読めない。

下調べではタイも銃社会と聞いていた。ペンは剣よりも強しというが、銃と比べればペンはまるで役立ちそうには無い。

そもそもあのことわざはそういう事じゃない。

急激に働きだした私のシナプスだが、すぐに杞憂に終わった。

佐々木健介の手前の小屋の裏側に小便器が見えたのだ。

「あっションベンね」

そういう事ねと、ホッとしてからジョーッっとして、佐々木健介を尻目に彼らが談笑する輪に入った。

子供2人と男性2人はずっと笑顔でおそらくバカ話をしている。ピンクチラシのお返しにこのブログの名刺を渡していたのだが、それを1人の男がタブレットで見ていたようだった。

photograph

photograph

帰国後に確認したがこのブログにたしかにタイランドからのアクセスが入っている。

私もタバコ一本分の時間をそのタブレット男達と共有した。

翻訳アプリは使わなかったが、途中でタブレット男が体を傾けてデカい屁をこいたので、そこに居た6人で大爆笑した。

「ミー、タイランドフレンド、ユー。ユー、ジャパニーズフレンド、ミー。ベストフレンド!クールガイ!バイ!」と屁ぶっぱなし男とマイメンのようなマブダチのような別れ方をして再度タクシーに乗り込んだ。

走り出してから運ちゃんが「マイサン」と言ったので驚いた。

「ユアサン?さっきのアンタのこどもかい!はー!子供おるんかい」「てことはアンタん家かい」「てかトイレで寄るんやったらそう言うといてや」と佐々木健介に与えられた緊張と、小便が済んだ緩和から興奮する私を尻目に、彼はまた舌打ちとクラクションを鳴らし続けた。

ただトイレに寄っただけならば、私の緊張感が高まるくらい待たせたあの時間は何だったのかは謎のままだ。

相変わらずどこに行くかは分からないが、彼は止まらずタクシーを流し続ける。

「マイサン」の話の続きで二人の子供の写真を見せてくれたが、身の上話はまだ早い、私のタイの用事はまだ済んでいない。

帰国までの時間はまだあるが、今の時間を持て余してしまうのも何なので、かのお願い事については単価が高く感じていたが、これ以上擦り合わせる事はせず、折り合って合意に至った。

すると、さらに車を走らせ今度は、空港に居たSecurityみたいな人が立っている車止めの門扉の前に彼はタクシーを一旦停車させた。

何言か話すと門扉は開かれ、まるで何かの行政機関のようなしっかりとした建物の中の地下駐車場のような所へ入って行った。

ところで、日本では建造物周りや街中でも防犯カメラが増えているように思う。東京オリンピックに向けて街や駅や山手線全車両にも防犯カメラが付くと聞いた。

しかし、タイのそれは日本以上である。建物の角や軒先に1方向だけカメラが設置してあるのではなく、二方四方とカメラの存在があるのを至る所で確認した。

今入った建物の駐車場もしかりで、曲がり角には必ず2方向以上の防犯カメラが設置されていた。

だから、さっきのボロ団地で強盗かましてこないのに、こんな所でトラブルに遭う事は無いだろうと少し安心していた。

ただ、入った先の駐車場内の電灯はほとんど点いておらず、3メートル先の人間の表情が分からないくらい暗かった。

彼はまたお得意の「ウェイティング」と言って車を降りた。

私も慣れて「オーケー」と素直に車内に留まる。

彼はさっきより早く戻ってきて、運転席に座りタクシーを発車させた。

そしてすぐに「フォーユー」と言ってタバコ大のそんなに要らないサイズの乾燥したものをプレゼントしてくれた。

日帰りなんだからこんなに要らないと伝えたかったが「ビッグサイズ」としか発せなかった。

すると少しシリアスな表情で「カメラカメラ」と後方を親指でさした。

「オーケーソーリーイエスイエス」とすぐにポケットに入れ、その後さらに防犯カメラの存在に注視するようにした。

「フォーユー」とことさらに強調し、そっけないドライな動作が(渡した時点で私は関係無い)というサインだったのではないかと、が少し不安になったが、要件が済んだらその辺のトラッシュボックスにインしてやろうと考えていた。

彼はまたしても「フォエアーユーゴー?」と言うが、もうほとんどやる事は無いので、さきの原西の逆バージョンのジェスチャーで「ファッキング、ゴー」と答えてやった。

「オーケー、ミー、ユー、セイム、ゴー、オーケー?」と言うので、もしかして私の金で女の子を抱こうとしてるのかと勘繰った。

なので「あなたも一緒についてきて」「でもあなたも行くなら自腹だよ」と念をおしておいた。

私はこの辺りで、全部の希望をちょうどよく叶えてくれるこの2人の子持ちのファンキーなぼったくりタクシー運転手に帰国の最後まで水先案内人を務めて欲しいと思っていた。

次に着いた場所はおそらく中国語で「ナンチャラ浴場」かなんかと看板が掲げてある場所だったので、すぐにタイ流のソープランドなんだと察した。

それならばと、今度は数十分は車を離れるので、パスポート入りのバッグも一緒に持って建物に入った。

数段の階段を昇って建物に入ると、いかにもキャッチという風貌の笑顔のボーイが招き入れてくれた。

最初は人当たりが良いが後でいくらでもアヤをつけて豹変してきそうな、日本の風俗産業のそれと同じ感じの微笑と軽いノリが私の眼には怪しく映った。

そこにも運ちゃんの彼は着いて来てくれた。

3段のひな壇に2~30人のケバい白塗りをしたタイ人娼婦達が座って待っていた。

この手の風俗のスタイルはバリとマカオで経験済みだ。マカオなんて人数が多すぎてお気に入りの子を探す為に双眼鏡を渡されるほどだ。

最低で下衆で低俗で正直な話だが、まず顔しか見ない。

前述したが、私は普段、根暗で引っ込み思案で人に迷惑をかけたくないので余計な事には触らないことなかれ主義でそこそこ真面目でズブズブでなあなあで陰険で根に持つタイプのクズ人間だ。

だが、そんなタイプの人間は時に地方(生活圏外)では、はっちゃけてネアカで何にでも首を突っ込んで言いたい事言って出来るだけ人に迷惑かけたいパリピでウェイヨーな手に負えないうっとおしい一面が出やすい。

いきなり女の子を選ぶんじゃない、そうだ、まず「で、ナンボなん?」でしょ。

聞くと90分で5000バーツと言う。笑顔で「ファイブサウザンドバーツ、日本円で17000円くらい」とそれだけは日本語でしゃべるボーイさん。

日本人観光客を相手にするのは慣れたものなのだろう。

私は「その値段は無いっしょ?飛田新地来たことあるんか?大体2500バーツやぞ、吉原でも堀之内でも西川口でも黄金町でも栄でも松山でも池袋でも新宿でもそんなにするかい、言うても3000バーツくらいちゃうん?」と日本の風俗産業の料金システムを引き合いにバーツ換算して交渉しようと思った。

それを端的に伝えようとすると「オオサカ、ツーファイブゼロゼロバーツ、トーキョー、スリーゼロゼロゼロバーツ」という言葉になり、態度ではクルッと女性たちに背を向け、ボーイを鼻で笑い、顔は笑いながら目で少しガンくれてみるというアウトプットになった。

ちょいちょいちょい、という感じで運ちゃんが後ろの待合席の方へ私を連れていく、どうやら中一英単語の羅列でもゴネる系のジャパニーズだという事は伝わったらしい。

目は口ほどに物を言う。

するとボーイも近寄ってきて「フゥ~、ファイブゼロゼロゼロバーツ」と野球のアンパイアのセーフのようなジェスチャーで、これが目いっぱいの下限ですみたいに言う。

私は飛田新地には行った事が無いが、8000円といってもたった15分だという事を聞いて知っていた。

もちろん、そんな事は伝えないし、その間も女性陣の品定めはしている。

現地時間でまだ17:00前後である、帰りの便までまだまだ時間があるので、飽きるまで時間つぶしにガタくれようかと思ったが、見かねた運ちゃんが「じゃ今いくら持ってるんだ?」と聞いてくる。

タクシー代であなたに500バーツ×往復で1000バーツ払うでしょ?とこちらで勝手に決めつけてから、そうすると3000バーツしか無いと伝えた。

少し離れたボーイと運ちゃんが話してから、2人で戻ってきて今度は「スリーファイブゼロゼロバーツ」と続けた。

最初の5000バーツってなんやねん、と言いたいが、それなら3000バーツでイケるなと思った。

どうせこの運ちゃんはこのソープランドからマージンをもらうはずなので、ボーイと私との仲介役には適任だ。

そして最後にミナミの帝王でよく見る「無い袖は振れまへんな」的な常套手段で、バックのあらゆる収納ポケットとデニムのポケットを全部まさぐるフリをして、ちょうど3000バーツを出した。

「もうモンマにこれしかありまへんねん、どうにかしてや」「もう最後やで、アカンなら決裂やな」という態度でもう一度ボーイにかけあってもらった。

ボーイは「ほんなら、ええわ」という感じの不敵な笑みで「オーケー、ガール」と言い、指名しなさいと私を促した。

「やっぱり最初の5000バーツってなんやねん」と言いたいが、別に言い負かす事が主眼なのではない、交渉における一定の儀式が滞りなく済んだだけの事なので、ここは「ほな、行こか」という態度で次の段取りへ移行すれば良い。

ひな檀の中段に座っていた一番グイグイ「カモーンカモーン」と手招きするケバケバの一人の女性に「スタンドアッププリーズ」とゲスいお願いをした。

「スタイル、シルエット、ァーン」と悩むフリをして一番アピールの弱く左の一番下の席でつまんなそうにしている彼女を指さし「プリーズスタンドアップ」と続けた。

正直ストライクゾーンの顔の女性は居なかった。大体そんなもんだ、かろうじてバットが届きそうなボール球でも、線が細ければ何とかバットが機能するはずだ。

無駄な愛想を振りまかない2番目の彼女の方が細かったので「ユー、ゴー」と一緒に受付カウンターへ向かう。

その途中で、最初に立たせた彼女に合掌して頭を下げソーリーと言ってみた。

すると私を手の甲で振り払うしぐさをしながら「オーケーオーケー、ダイジョブダイジョブ、エンジョイ!」とタイ人女性のタフネスを見せつけられた。

暗くて影のある女性は好きだが、あそこまでタフで明るい女性も好きだ。

階段を上がる前に受付でボーイさんにお会計をする。

私は日本円を細かい100バーツに換金していたので、計30枚数えてボーイに渡した。ボーイも数えてチェックし終わると「ツーサウザンドナインハンドレッドバーツ」と言う。

私がもう一度数えると本当に29枚しか無かったので、さきほどまさぐらなかったジャケットのポケットからもう1枚の100バーツを出した。

1枚ギられたというセコい感じではなく、単に最初に私が数え間違えていたようで、それが恥ずかしくて「ボーイはん、なんややっぱり3000でいけるんやんアホな普通の観光客と一緒にするのやめてや、堪忍やで」という雰囲気で100バーツ1枚を差し出すついでに肩を触った。

笑いながら札を数え終えたボーイは「オーケー」とだけ言い、笑顔を崩さずそそくさと次のお客さんの元へと歩いて行った。

2階へ上がる階段、廊下に雑然と立てて並べられたエアーマット、浴槽の感じ、部屋の内観などは西川口や吉原のそれとほぼ同じだった。

違うのは、部屋に入るなりドリンクの注文をとられた後に渡された「ウォーター70Thb」と書いた紙だ。

「水も金とるんかい」と笑いつぶやきながら、水を持ってきた女性に20バーツ×4枚の80バーツを渡して「テンバーツ、ユー、チップ」と言って部屋から出てもらった。

するとさっきご指名されたつまんなそうな表情の彼女が営業スマイルを出し、コンドームを指さして「ディスワン、フィフティバーツ」と言う。

「コンドームも金取るんかい」と爆笑し、今度は紙幣だけじゃなく10バーツコインも使ってきっちり50バーツを払った。

プレイ内容、サービス内容は西川口のそれよりもそっけなかったが、そんな事はどうでもよかった。

たぶん廊下で見たマットはオプションプレイで別料金なんだろう。

プレイ前とプレイ後に一服をしていたらもう時間だという。最初に90分と聞いていたが、どうやらコトが済んだら60分で出てけという事らしい。

こちとら邪気払いが出来ればなんでもいいので、急かされることも引き留められることも無いサイズの時間でちょうど良かった。

ただ「チップ、フォーミー?」と嬢のチップのおねだりが始まった。

相場が分からないが、コインではなく20バ-ツ紙幣を1枚あげたが、さらに駄々をこねる嬢を見て思い出した。

「タイアード」しか言わないドマグロな私の上下で、彼女は頑張ってくれていてボルテージがあがってきた所で「イクイクイクイク」と健気な嘘をついていた。

そのサービス精神にもう1枚の20バ-ツ紙幣をあげたが「ノーノー◎$♪×△¥○&?#$!」と食い下がってくる。

だが、こちらも「もうこれしかないんやぞ、帰りに空港でコーヒーも飲めなくなるやん、アイドンノー」と笑いながら部屋を一緒に出た。

出口にまだ居たボーイに「グッジョブ、スィーユー」と告げ、「ナンチャラ浴場」をあとにした。

外に出るとまたタイの熱気が襲って来たが、すぐに付け待ちタクシーに乗り込む。

乗り込むとすぐに発車したがる彼を制止して「もう少し楽しんだら残りはいらない」「どこか安全な場所は?」「4分間くらいでいい」と翻訳アプリで伝えた。

彼は私のわがままを察してくれて、隣に駐車していたトゥクトゥクの運転手の見るからにラスタな黒人と運転席側のドアを開けてゴニョゴニョと1本巻いてくれた。

そして、残りはトランクに入れて捨てる手間まで省いてくれた。

もしかすると、実は好き者だけど隠していたのかもしれない。

彼はまた「フォェアーユーゴー?」と聞いてくる。

この時点で現地時間18:00過ぎである、空港までは約1時間なので真っすぐ帰るとかなり早く着きすぎる。

私は「もうしたい事は無い」「だが時間が余ってるからフォトジェニックスポットを回りながら空港に届けてくれ」という旨を翻訳アプリで伝える。

彼はまたニヤついて「オーケーオーケー」と走り出した。

「ところでソープは満足したかい?」というような事を言ってるので、「バリでもマカオでも韓国でロシアンもいったけど日本が一番良い」と正直に答えた。

あと、行きと帰りの往復で「ファイブゼロゼロバーツ、アンドファイブゼロゼロバーツ、ワンサウザンドバーツ、オーケー?」と今更ながらタクシー代を確認してきた。

私がアプリで「了解した、1000バーツで問題無い」「どうせさっきのソープからもマージンもらうだろ」と翻訳した画面を見せると、何も言わず苦笑いを浮かべていた。

ここで思い出してお土産用のヤードムだかヤドームだかの嗅ぎ薬を買いたい事を伝えた。

彼は最初「んっ?」という顔をしていたが、親指を鼻に突っ込むポーズをして「ァ~、ヤ-ド-ム」と結局”ド”の前後どっちを伸ばすのかよく分からない発音で返してくれた。

で「セブンイレブンで買えるよ」と言う。

だが「50本くらい買いたい」「そんなには本数置いてない」「じゃ空港で買えるかい?」「空港でもたぶんそんなに本数売ってない」とラリーが続く。

「大量にバルク買いしたら安くなるとこ無いかい?」「てかもうバーツ無いんだよね、空港で両替してからタクシー代渡すね」と言うと、彼はかなりシブい表情で日本で言うところの煮え切らない様子である。

「分かった」と彼はUターンして「私が銀行を紹介する」というスマホの画面を見せてきた。

今までの会話の文脈から銀行が両替所を意味している事は分かるが、いきなりその画面を見せられたらなんだかものものしい文言で「お前何屋さんだよ」と思ってしまいそうで笑えた。

着いた場所では、また車止めの門扉の前にSecurityみたいな制服タイ人が立っている。

その直前のストリートとは打って変わって、普通の観光客の姿は無く電灯も薄暗い場所だった。

彼は一緒に車を降りたが、どこなんだね?という顔の私に「ユーノーベイビー?」とある店を指さし、一人で行けと促した。

「ユーノーベイビー?」の意味が全く分からなかったが「Exchange」の看板があるからすぐ分かった。

30mくらい歩いて両替所の店の前に着くと赤ちゃんが居たのでベイビーの意味も分かった。

怪訝そうで不機嫌そうな受付のタイ人女性の態度が気に喰わないのと、両替レートも良く無さそうなので「ソーリー」と言って一旦破談にさせてもらった。

彼はどうした?という顔をしていたが、私はバツ印を指でつくって「手数料が空港の方が安い」と翻訳アプリの画面を彼に見せたら「フ~ン」と言っていた。

もう車を降りるのも面倒だし、手間をかけちゃうし、やっぱり「空港で両替してからちゃんと払うよ」と伝えた。

そこで意外だったのが「ノーノー、エアーポート、ストップ、ポリス」と言って両手首を繋げて警察にお縄になるジェスチャーをした。

そのジェスチャーは日本と一緒なんだねと思ったが、余計な事は黙っていた。

真偽は分からないが、客を降ろすのは良しだが空港内で客待ちのように停車していると捕まるという事らしい。

「あっそうなん?じゃ今の両替所でしてくるわ」と伝えたが「ノー、タイムオーバー」と言う。

ワンチャンスしか行けない場所なのか、単純にもう店が閉まる時間なのか「タイムオーバー」の意味が分からなかったが「じゃどこか別の銀行を紹介してくれ」と頼んだ。

isetan

日本の伊勢丹に見えてテンションがあがって「ジャパニーズ、イセタン」と言ったが、彼は「イシタン、イシタン」と言っていた。

次の銀行に着くと彼は一緒に付いてきてくれた、今度は両替レートがどうのこうの言う事はせずにすぐにバーツに交換してもらったが、振り返ると彼の姿はもう無かった。

2軒となりの薬局で彼がヤ-ド-ム50本の件を説明していてくれた。

私が店に入ると、店にある全ての種類のヤードムがカウンターに並べてあって話が早かった。

薬局のババアは6本パックの1セットで220バーツだと言う。電卓を借りて計算してみるがそんなに安くない感じがした。

帰国後に調べたら1本20バーツ前後というブログを見た、それがいつの物価かは知らないが、だとすると1.5倍~2倍高い。

ただ私が電卓で計算したのは、タクシーの運ちゃんの彼に1000バーツ+チップ100バーツを払うとして残りのバーツで目いっぱいヤードムを買って、空港でコーヒーが一杯飲めればいいやというものだ。

すると50本も買えない事が分かったので、コーヒー代は50バーツだけ残してなにかペットボトルでも買えば良いかという事にして、6本×7セットの42本を1540バーツで買った。

そうしてタイでの用事はすべて完了し、思い描いた事はすべて出来たうえに、予定より2時間ほど余った。

なんやかんやで19:00過ぎになり空港までは残り約50分くらいだ。

時間を持て余し過ぎるので、一応22:00くらいまでドライブしてくれないか?とお願いしたが「ハハッ」と断られた。

もう円もバーツも無い客には用は無いだろう、早く帰りたかろう。

「大丈夫、後は空港で時間を潰すよ」と伝え、空港までの道のりの残りの時間は世間話に没頭した。

そういえば彼には子供が居た、そういう意味でも早く帰りたかろう。

「ハウオーダーユー?」「トゥエンティエイト、トゥーエイト」とハンドルを離し、わざわざ手で数字を作って丁寧に答えてくれる。

ちょうど道沿いでバスケをしてる人がいたので、「タイランド、No,1フェイマス、スポーツ?What?」「バスケットボール?ベースボール?」

と、言い終わる前に食い気味に、

「フッボー、No,1スポーツ、フッボー」と答えてくれた、タイではサッカーが一番メジャーなスポーツらしい。

さらに、「フッボー、クォンサール・サンパウロ」と続ける。

「クォンサール・サンパウロ???」

てっきりサンパウロFCのクォンサールって選手が好きなんだよねみたいな話だと思って、スマホでサンパウロFCのマークを出して見せた。

「ノーノー、フッボー、クォンサール・サンパウロ」と言って、知らないの?みたいな顔で見てくる。

知らないし、この話は広がらなそうなので「フ~ン、ヘ~」と流していたら彼が「ホッカイドー」と言うのでピンときた。

「フットボール、コンサドーレ、サッポロ」の事かもしれない。

コンサドーレ札幌の試合前の集合写真を出して見せると「ヤーヤーヤーヤー」と、画面をピンチアウトして一人の選手を見せてきた。

それはタイのメッシと呼ばれてコンサドーレ札幌に加入したチャナティプ・ソングラシンという選手だった。

そして「No,1 チャナティプ」と言って誇りをもって紹介してくれた。

続いて広島の試合前の集合写真を出して見せ、神戸の試合前の集合写真を出して見せ、また助手のような仕事をさせられた。

「ナンバーワン〇〇ナンバーツー〇〇ナンバースリー〇〇」と勝手に順位を付けだした。

ランキング形式したがるこの手の欲求も万国共通なのかもしれない。それか彼の主食がうどんなのかもしれない。

NO,1 コンサドーレ札幌 チャナティプ・ソングラシン
NO,2 
サンフレッチェ広島 ティー・ラシン
NO,3 
ヴィッセル神戸 ティー・ラトン

続いて道行く車を指さし「トヨタ、ホンダ」などと教えてくれる。

そして彼の中のランキングはこれだ

NO,1 トヨタ
NO,2 いすず
NO,3 ホンダ
NO,4 フォード
NO,5 日産

私がバイクはどうだ?と聞くと教えてくれたランクはこれ

NO,1 ホンダ
NO,2 カワサキ
NO,3 ドゥカティ

あとランキングではないが、よく見る電化製品メーカーあるあるがこれ

パナソニック ソニー サムスン LG マツシタ

他には、彼のお気に入りの曲を車内オーディオに接続した彼のスマホのユーチューブで流してもらい、気に入った曲を私のスマホで読み取りその場でitunesで買って私のスマホからその曲を流すというのも盛り上がった。

私が「アイ、セル、ナウ」としたり顔で曲を流し始めて、彼が「ユー、セル、ナウ?」と驚くいうギャグも2人で大爆笑した、急激に2人で流行り過ぎて5曲くらい買って空港に着く頃には2人とも飽きていた。

あと15分~20分くらいで空港に到着する頃に、渋滞している時に私はタクシー代の1000バーツを渡した。で「アンド、ユア、チップ」と100バーツも渡した。

てっきり「サンキューメン」くらいのノリが返ってくるかと思ったが彼の様子は違う。

100バーツを掲げ「マイ、チップ?オーケー」「マイサン、チップ?」と笑っている。

息子へのチップが足りないと言う。

「なんでお前のこどもにチップあげなあかんねん」とこの時点で笑ってしまったが、きっちりとぼったくってくる彼の誠実な仕事ぶりに負けて、飲み物代として残していた50バーツもあげた。

これで終わりかと思ったが、まだ食い下がってくる、ちょっと支払いを済ませるが早すぎたと反省した。空港直前の道路の渋滞はひどくまだまだ混んでいる。

「ノーノーノー、マイサン」という彼はまた息子の写真を出して一人一人名前を読み上げる。

この子にも、そしてこの子にもチップをくれという事だ。

それならばと、適当な内訳を説明する事にした。

「フィフティバーツ、ユアチップ、アンドフィフティバーツ、(1人目の子供の名前)チップ、アンドフィフティバーツ、(2人目の子供の名前)チップ、オーケー?」

と言うと、まだ彼は「ノーノーノーノー」と言っている。

子供にはチップをあげてもいいがお宅の家族までは知らないと言うつもりで「ユアサン、チップ、オーケー、バット、ユアファミリー、アイドンノー」と言ってみた。

そして「フィフティバーツ、ユアチップ、アンドフィフティバーツ、(1人目の子供の名前)チップ、アンドフィフティバーツ、(2人目の子供の名前)チップ」ともう一度言った。

「ヤーヤーヤー、ノーノーノー、マイサン、チップ!」と、もはや理由なくチップをねだってくる。

「もう子供おらんやろ?あと誰のやねん?」と言って、「フー?」と爆笑していると、「マイサン!」と彼も笑っていた。

一回、そのぼったくりノリのスイッチを切ってもらおうと、私が昔ハマっていたフリースタイルフットボールをやっていた時の動画をyoutubeで見せた。

すると、あっさり話題は変わり、彼は「ユー?」「ヒュー、グッド!」「ユー?」と驚いた表情で空港のらせん状の坂道をずっとスマホ画面を見ながら運転した。

褒めてくれたのが嬉しかったのと、全体的にタイを快適に過ごせたのは、この運ちゃんのおかげだと思っていたので、日本円の小銭の数百円まで全てあげて財布の中身はスッカラカンにした。

「換金できるかわからんけど、バーツにしたらこれくらいちゃう?」と「ジャパニーズ、イェン、アバウト、〇〇バーツ、バーイ」と教えてあげた。

そこから成田の自販機でスイカでカルピスを飲むまでの10時間ほど、私は水分を摂取できていない。

そのカルピスは驚くほど美味かった。

成田にバイクを停めて出発したので、私は今回のバッセン旅で、一度も電車に乗っていない。

だから、極力無駄な混雑は避け、無駄に人混みに紛れていない。

そのバッセン旅は驚くほど快適だった。

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彼の名前は二度聞いたが、私には発音できないものだった。
「発音難しいですね」と画面を見せた事だけは覚えているが、
肝心の名前は、もう、覚えていない。

別に、

タイのタクシーのぼったくり事情が書きたかった訳では無い。

タイの風俗ルポルタージュが書きたかった訳でも無い。

タイと日本の文化ギャップが書きたかった訳でも無い。

危険な一人海外旅行を推奨したりしたい訳でも無い。

これは、

私なりの良いスイングで私なりの「ローカルツーリズム」をつくった証であり、

私なりの良いスイングで私自身が「生活圏外」へ飛び出た大ホームランを打った証であり、

私なりの良いスイングで私自身の「メンタルヘルスツーリズム」になった証である。

ここまで読んだ頭おかしい人が居たら、私に「ナイススイング」と言ってほしい。

それがこの「タイのバンコクバッティングセンター」の記事を読んだ証である。